前回の記事で世銀JPOの一次面接の対策や体験談についてお話しました。今回はシリーズ最終回,最終面接についてです。
最終面接に関する下調べ
一次面接の下調べと同様に,事前にJPOの先輩に色々教えて頂きました。
面接の形式
- 面接官: 合計2-4人: 募集をかけた部門のマネージャー + TORに記載の業務に関わるシニアレベル職員
- 場所: 世界銀行ワシントンDC本部 (現地に出向けない場合はWebex)
- 時間: 30-40分
面接の内容
- 最初は自己紹介
- TORに書かれている専門的な業務を遂行できるか事細かに質問
- CVに書かれている職歴の詳細について質問
一次面接とは異なり,一般的なよくある質問は全くなかったそうです。
面接の対策
自己紹介
面接の最初に求められる自己紹介の対策は一次面接と同様に,Present - Past - Futureの形で1~2分で話せる内容を構成し,何度も練習しました。詳しくは一次面接の記事を御覧ください。
質問への対策
私が行った主な対策は以下の2つです。
1. TORに載っている専門用語をピックアップし,それぞれの用語にまつわる自分の経験を説明できるようにする。
私のTORには「Machine learning, Econometrics, Household data, R/Python」などの用語が多く含まれていました。Household dataを例に取ると,私が過去にHousehold dataを使った経験について「何をしてどんな成果が出たのか・どんなスキルが身についたのか・何が難しくてどう乗り越えたか」を流暢に話す練習を行いました。
2. CVに書いてある職歴について,全て詳細に説明できるように準備する。
私はTORに7つの職歴(インターン含む)を記入していたので,それら全てについて説明できるように練習しました。
対面面接の対策
私の場合一次面接がWebexでしたが,最終面接は普段働いているDC本部で対面形式でした。アメリカでの対面面接は初めてだったので,握手の仕方などYoutubeの動画で勉強しました。
またSTCの同僚とJPOの先輩に模擬面接を頼み,本番と同じような環境で自己紹介や質疑応答の練習をしました。これが非常に役に立ちました。
実際の最終面接
最終面接は2019年6月10日,ワシントンDCの世界銀行本部Jビルのミーティングルームで行われました。
書類選考の際に提出した履歴書とカバーレターを面接官に配るために5部ずつ刷って持参しました。
面接の流れ
- 面接官が待つ部屋にノックして入室
- マネージャーから面接の流れについて説明
- 面接官4人の自己紹介
- 各面接官から1つずつ質問
- 逆質問タイム
一般にアメリカの対面面接では力強い握手から始まるらしいですが,みなさん座ったままで,握手なしでそのまま進行していきました。また私の自己紹介の時間は特になく,面接は30分くらいで終わりました。
4人の面接官
私が応募したJPOのポジションはSTCとして雇用されていた部門と同じだったので,面接官のうち1人は当時の上司でした。
4人中3人の方はその場にいましたが,私の上司だけ出張中でWebexでの参加でした。
- 男性: 西アフリカ担当のマネージャー
- 女性: シニアエコノミスト (Webex): 私の上司
- 男性: リードエコノミスト
- 女性: 東アフリカ担当のマネージャー
一次面接の面接官と同様に,皆さんにこやかで話しやすい印象を受けました。
1つ目の質問
端的に"Why do you apply for this position?"と志望動機を聞かれました。自己紹介用に用意していた回答をスラスラと答えました。準備していてよかったと安心しました。
2つ目の質問
Econometricsの手法を用いた分析について,これまでの経験を聞かれました。この質問は事前に想定しており,対策も考えていました。修士論文として行ったインドの家計調査データを用いた経済分析について説明しました。自分でいうのはなんですが,修論にしては手間のかかったレベルの高い分析だったので,マネージャーが笑顔で頷いていました。
3つ目の質問
Machine Learningを用いた分析について,これまでの経験を聞かれました。こちらも想定内の質問でした。IBMで学生研究員をやっていた頃に行った研究について,データや手法など細かい所まで専門外の方でもわかるように説明しました。成果として論文を出し国際特許も出願したという旨を伝えた所,面接官の方々から驚きの歓声が湧きました。
4つ目の質問
「仕事でconflictがあった時,どのように解決したか」が最後の質問でした。専門的な質問ばかりされてると想定していたので,ありふれた面接の質問に対する答えは特別用意しておらず,質問された直後に少し考えました。結局,「普段の世銀での業務において,ゴリゴリの経済学出身のボスと,医学・工学のバックグラウンドも微妙に混じった私の間で,機械学習や統計処理に関して異なる嗜好があり,頻繁に議論しなければならない。根気強くコミュニケーションを取り続けることで解決している。」みたいな思いつきの回答をしました。かなりしどろもどろだったと思います。
逆質問タイム
「もし採用されたらいつから勤務がスタートするのか」だけ聞きました。これに対しマネージャーから具体的な返答がありました。
面接の感想
面接中,私も面接官も声を出して笑う場面があるくらいには終始雰囲気がよかったです。
最初の3つの質問は想定していたものだったので練習通り流暢に伝えることが出来ましたが,最後の質問に対しては流暢さのかけらもなかったので,その点だけ少し心配でした。
面接の後日談: なぜ採用されたのか
面接から2週間後にジョブオファーのメールを頂きました。のちに,なぜ私が採用されたのか伺ったところ「他の候補者より専門的な質問に対する答えが明確で,専門的な業務をさせるのに信頼が足りたから」ということでした。
本当に何度も何度も練習した甲斐がありました。
終わりに
以上がJPO採用の最終面接の対策と体験談でした。JPO採用のシリーズ記事はこれにて終了です。記事の内容について質問のある方はコメントやツイッターのDMをください。